チョボチナイゲート

それは去年のことだった。

とある自動車系SNSに「チョボチナイゲートに行ってきた」的な記事を見つけた。

チョボチナイゲート？

ぶっちゃけ初耳だ。

聞くところによると、余り道路事情が宜しくない道のようで、天候が安定しているこの時期のほんの数週間だけ開通する幻の道らしい。

去年その話を読んだとき、それ以降で出掛ける時間を作ることが出来なかった。

来年こそはと心に決めること1年、竹を割ったような性格の真逆の餅をついたような性格（粘着質ね）の自分はずっと覚えていた。

そして今年、時は熟した。

家族が「旅行に行って良いか？」と訊いてきた。

言って良いも何も拒絶する理由などありはしないので、二つ返事で「どうぞどうぞ」と快諾する世帯主、金の出所が出掛ける人の個人的口座だから（多分）こちらがとやかく言う筋合いもないのだ。

それに自分には旅行に行くほどの連休など取れる様な身分ではない、そう完全歩合給だからね。

家族がいない休日、家の動物たちの世話をしてから車に乗り込む。

どうせならオール下道で行ってやろうじゃないかと妙な使命感に駆られた自分は、自宅からR274（札幌新道）、R275、途中で右折して江別大橋を渡り、新篠津（しんしのつ）、北村（きたむら）経由で、美唄（びばい）に到着、膀胱が満タンになって警告サインが出る寸前でコンビニに立ち寄りトイレを拝借し、利用料としてコーヒーを購入、昨年開通した道道美唄富良野線を走ると直ぐに交通安全の旗を持った集団に出くわし、車を止めさせられる。

先行車もいるし、速度も全然出てないのになぜ？と思っていたが、制服の公務員さんが路肩に寄ることを指示している。

え？と思って窓を開けると「交通安全週間でポスターをお配りしています」とのこと。

レジ袋に腕に巻く反射ベルトとティッシュとポスターが入れられたものを渡され「安全運転でお願いします」と言われる。

言われんでも安全運転で行くわと思いながらまだアスファルトが綺麗な道を、良い感じの速度域で走りきる。

あっという間に三段滝付近まで走りきり、まだ膀胱に若干余裕があったために立ち寄ることなくクルマを走らせるが、程なくして警告が響き始める。

ナビの案内は突き当たりを左折（右折すると富良野方面）と出ているが、その先にはゴルフ場があるので、そこのトイレをお借りした。

そういやこの前の人間ドックで尿比重が低いなぁと思っていたが（1.008）、最近尿意を感じる間隔が短くなってる気がするのがちょっと心配だったりするおっさん（血液検査的には正常値）。GFRとかもキッチリ調べて貰った方が良いのだろうか。

その後は山の中を走りラベンダー畑の裏側を走り、美瑛（びえい）に抜ける。

美瑛に抜けてからはあと20分ほどで到着とナビが教えてくれた。

ぶっちゃけこの辺りまで来ると田舎道なのでそんなに車が走ることはないが、なぜか前を走るクルマがずっと自分の前を走り続けている。

もしかして先行車は同じ目的地を目指してる？と思いながら走っていった。

美瑛を過ぎた辺りから対向車にバイクが目立つようになってきたが、まだそのときはその理由がよく分からなかった。

そして目的地到着、チョボチナイゲート

一応動画サイトで予習していたのでその道の険しさは理解していたつもりだが、正直予想を遙かに超える険しさというか対向車が来るとビビるレベルの道の狭さ。

バイクが来てもドキッとする狭さの道を6台くらいの縦列でゆっくりと道を進むが、バイクはまだ良いのだが普通車が来たときはミラーがぶつかるんじゃなかろうかと思うほど。

そんな道を進むとようやく片側1車線の道が現れて安堵、この辺は「チョボチナイゲート」を動画サイトで検索して頂ければ幸い。

程なくして景色が広がる場所が出てきて、そこには大きな橋が架かって、バイクツーリングの団体（団体？）が50台くらいいただろうか。

空いてる路肩にクルマを駐めて他の人と同じように写真撮影をしたり橋の欄干から下を覗いてみたが、いやぁよくもまぁこんなところに橋を架けたもんだと思いながら、にしてもこんなに金を掛けてたった1ヶ月しか開通しないってと言う気持ちも正直なところ。

ところで、iPhone17proに機種変をしたのだが、デフォルトの写真の画角が3：4じゃないのね。

デフォルトの設定は変更出来るのかしら。

にしてもこの日は良い感じで晴れてくれて、遠くの町並みまでくっきり見渡すことが出来た。

こんな綺麗な景色が見られる橋があるところが、諸般の事情で1ヶ月ほどしか通行可能じゃないなんてもったいなさ過ぎるわ。

ただチョボチナイゲートのあの道の狭さをどうにかしないと通行量が増えたらとんでもないことになるのは火を見るより明らかというかムリ。絶対事故が起きるわ。

まだ紅葉の時期にはちょっと早かったが、この辺もあと2週間もしたらきっと葉っぱが綺麗な赤や黄色に色づいた景色が見られるんだろうなぁと思うと限定の通行は返す返すもやっぱり勿体ないわ。
ちょっとだけ休憩して橋を渡りきる。

橋からUターンしてまたチョボチナイゲートに向かう感じのルートを選ぶのか、こちらに降りてくる人は少ないのかもしれない。

と言うか、あの時点で乗用車はほとんど無くて、バイクが9割。

バイク乗りのメッカなのかもしれない。

流石に自分はまたあの細い道を走る勇気がないのでそのまま一直線に進んだが、果たしてこの道がどこに繋がっているのかもよく分からないまま、ただ「多分旭川に出るんだべ」くらいの知識で走っていた。

その後、よく分からないままに走っていると旭山動物園横に出てきたのには驚いた。

旭山動物園でも見学しようかと一瞬思ったが、おっさん一人で動物園ってのもどうなんだ？と言う気がしたので諦めた。

でも旭山動物園は色々な見所があるので、もしかしたらワンチャン楽しめたのかもしれないと思うと、チャンスを逸したか。

ま、動物園は逃げないからまた今度ってことで勘弁願おう。

そしてそろそろ昼時なので旭川といえばラーメン、と言う訳でその辺の情報が全く判らない自分は「そういやラーメン村ってあったっけね」と思い出し、ナビに入力。

ラーメン村に到着すると、こちらでも支店が出てるような店に観光客が押し寄せていたので、自分はテナントに入ってるお店の中で比較的混雑していない、行ってみればマイナーな（笑）お店の暖簾をくぐった。実際暖簾はなかったけどね。
旭川ラーメンといえばやはり醤油でしょ、そして麺は加藤製麺所が基本でしょってことだが、このお店「最上」さんがその麺を使ってるか判らなかったが、約5年ぶりにお店でラーメンを食べるような人間なので、大変美味しく頂きました。
それまで何度も尿意にやられ捲っていたので正直身体は軽い脱水を感じていたらしく、普段血圧もそれほど高いわけでもないことを良いことにスープまで全部飲み干してやった。今は反省してる（わけがない）。
ラーメンも今は1000円の時代で、実は店に入るのを躊躇ったのだが折角ここまで来たのだからと清水ダイブでお店に入ったことは内緒にしておいて頂きたい（貧）。
ラーメンを食べたあとにソフトクリームでもと思ったが、残念ながらスープまで全部飲み干した胃袋にその余裕はあるわけもなく、大人しくスゴスゴとラーメン村をあとにした。
あとは帰宅の途につくだけなのだが、ここでも完全下道の掟を守るべく、でもただR12を走るのもあれなので深川（ふかがわ）からはR275に入り、どこにも立ち寄ることなく走り続けた。
途中の月形（つきがた）辺りで強烈な睡魔に襲われたが、どうにか持ちこたえたときには自分で自分を褒めてやりたくなった（休めよ）。
16時に無事自宅到着し、雨には当たらなかったが一応洗車をして愛車をねぎらう。
洗剤を使うほどの汚れでもなかったので高圧線車のみだったが、やはり400kmも走るとボディには埃が付きウィンドウシールドにも虫の死骸がそれなりに付いたのでスッキリと洗い流す。
ホイールの80本修行も軽く行い、燃料を入れて本日の業務終了。
燃費16km/l、歴代一位の記録を達成したが、G30のD5sになると20km/lも達成出来るって言うんだからこの10年の技術革新は目を見張るものがある。
D5s後期型になるとマイルドハイブリッド方式になるらしく、そうなると信号待ちから発進の時は電気で走り出す感じになるのかね？、アイドリングストップキャンセルとかしなくても良いのかね。
後期型は全長が限りなく5m（4998mm）に近くなるので今の車庫には入れられないし、G30はコーディングでイージーエントリーシステムを有効化出来ないと聞いているので買い換えることは多分ない、きっとない、恐らくない、もしかしたら買い換えるかも？と言う気がしないでも無いが、そうなると自分は一体何歳まで現役を続けなければならないのだろうかと言う問題も起きてくる。
ま、寝言は寝てから言う事にしよう。
と言う事で、死ぬまでに走りたかったチョボチナイゲートを制覇した一日だった。