2012年 05月 26日
せっかくオホーツクの地までやってきたのだから、この地で仕事をしている同窓生に会わずして帰るのは忍びないと思い、アポ無しで訪ねてみた。 職場の2Fに間借りの身にはとても憧れる建て方だ。 時刻は1時過ぎ、工房作業があれば忙しい時間帯なので、もしそのような事があればご挨拶だけして帰るつもりで職場入り口の呼び鈴を押す。 インターホンに向かって名前を付げると、程なくしてご主人が出てきてくれた。 突然の訪問にも快く招き入れてくれる同窓生、本当に有り難い。 今日は工房作業も無くノンビリした昼休みとなっているようだが、昨日の作業はこちらではまずお目にかかれないような状態のものを修復していたようで、思わず苦笑い。 地方都市、恐るべしである。 「コーヒー入れるから遠慮無く上がって」 そんな言葉に甘えてお邪魔する。 一通り施設を見学させて貰い、くつろぎの間に通される。 「漆喰の壁で出来た工房室は、たぶん全国で2カ所位だよ(笑)」と笑いながら見せてくれた部屋は、天井高3mはあろうかと思われる空間。 照明の関係でこの高さにしなければならなかったと言うが、その作りは極めて「贅沢」。 増築した施設の奥には、茶室、風呂、トイレ、洗面所、そしてリビングが作られていた。 「ちょっと豆曳いててくれる?」 そう言って渡されたコーヒーミル、オシャレすぎる。 自分もその昔同じものを持っていたが、何だかとっても良い時間が流れる予感がした。 ミルの後ろに写っているのは暖炉。 「ここでさ、安い肉とかでも焼いて食べたら凄く美味しいのよね。煙突に匂いが引っ張られるから室内も臭わないし」 主人が笑いながらそんな事を言っている。 暖房用の薪の用意とか大変じゃないの?と訊いてみれば、台風などで倒れた山の木を適当に切って持ってくるから問題ないとか。 山の持ち主も後片付けが楽になるから歓迎してくれるらしい。 「父ちゃんの趣味はチェンソーアートだから(笑)」と嘘か本当か判らないようなことを言って笑う家族。 今自分は暖炉のある部屋でコーヒー豆を曳いている。 我が家では味わったことの無い時間。 こんな素敵な時間を過ごして許されるのであろうか? 手回しでゴリゴリと豆を曳いている間に、主人は他のものを用意して部屋に戻って来た。 「優雅な時間でとても羨ましいです」と言ったら、 「でも割り箸は使わないけどね(笑)」と笑う家族。 「そうだ、豆も自家焙煎しちゃってるんだよ」と見せてくれたのは、アルコールランプを使って焙煎する装置。 「クルクル回しているうちに焙煎出来るんだよね」 何という贅沢な時間なんだろう、インスタントコーヒーをカップに入れて飲んでいる自分との違いは一体どこから来るというのだ? 残された人生の時間をどの様に使うか、それは人それぞれなのだろうが、日帰りで出掛ける以外にほとんど旅行に行かず、盆も正月も休むこと無く仕事を入れ、臨時に休むのは身内の葬儀のみの生活が、決して恵まれたものとは言えないのは間違いないだろう。 そんな事を考えつつコーヒーを頂いていると、お茶請けにこのようなものが出てきた。 口の中に入れると、磯と醤油の芳醇な香りが口いっぱいに広がり、その余韻を愉しむ間もなく舌の上で溶け行ってしまう。 「幸せだなぁ」思わず呟いたら笑われた。 残された人生について、ちょっとだけ考えてしまう瞬間だった。
by wonderfullifewith
| 2012-05-26 16:41
| くるまのこと
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Comments(4)
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miu_north
at 2012-05-26 18:16
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いいですね〜。
何かをするために 時間に追われるんじゃなくて、 何かをするための時間も楽しめるって。 管理人さん。。。 人生に考えるだけじゃなく、何かしら改善に向けて実行を!
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コロすけ
at 2012-05-26 18:38
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つ・つ・つ次は増築を目論んでおられるのでわ (((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル
T氏を置き去りにする勢いですな でも、近くなのでそうなれば有難いんですがねぇ~ロイホの件も有りますし逝っちゃいましょうか? 勿論喫煙・ジャッキアップOK!で御願いします。m(_ _)m
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wonderfullifewith at 2012-05-27 17:14
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wonderfullifewith at 2012-05-27 17:17
コロすけさん
我が家が増築するには、隣の家を買い取るしか方法がありません。 もし出来るなら、今度こそ自分の車両を入れることが出来るガレージを作ります。 その際は喫煙ルームは用意しますので、ジャッキアップ出来る800kg鉄板を恵んで下さい。 |
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