2013年 08月 09日
富良野のラベンダーを観に行ったネタをアップしたら、ある方から「次はうにに逝け!」との命が下った。 ウニの漁期は6月から8月末までなので、今を逃すとまた来年になってしまう。 この辺でウニと言えば、積丹方面が有名で、食べログや旅行雑誌を見ても有名店が目白押し。 そんな店の紹介を見ながら何気なくFacebookを見てたら、とある店を発見。 その店は積丹半島方面ではなく、その手前の美国という場所にあった。 田中岩太郎商店 詳しいことはHPを見て貰えば良いが、ここの売りは「ウニのぶっかけ丼」(時価)だ。 かなり拘りを持った店主らしく、自分で捕ってきたウニ以外は店に出さない、漁に出られないときは店を閉めるって感じだ。 今回は店の看板商品である「ぶっかけ丼」を頂くことを第一命題とした。 実際後発の店が生き残っていくためには、ある程度常識外れな事をしなければ太刀打ち出来ないのも事実な訳で、そうなれば客が驚くような仕掛けをするのも悪くないと思う。 「客は店に思い出も求めている」とは良い表現だ。 まさに「ものより思い出」。 殻から取り出したウニの身が入っている塩水の樽から自分で掬って丼に盛る。 最高のエンターティナーだろう。 普通この手の丼をオーダーすると、大体が「写真と違ってウニの量が少ない」とか言われるのが多いが、自分で掬えば後は自己責任。 勿論直前にどの様にウニを掬ったら良いかのレクチャーが店側から行われるわけで、それを忠実に守って作業を行えさえすえば、素人でもそれなり量は掬い取れる。 もし掬った量が自分の想像よりも少なく、丼一杯のウニの量にならなくても、店主が「おまけ」と称して白いご飯が見えなくなる程度に追加してくれるから、客は「損をした」と言った反社会的な感想を持つことはなく、むしろ「おまけして貰った、ラッキー」という感謝の気持ちすら湧いてくる。 ただ、店側もそんな出血サービス的な商売ばかりもしていられないから、ぶっかけ丼に回すウニの量はある程度制限しているようで、その時のウニの漁獲量に応じて客数を決めているようだ。 先述の通り、シケの場合には漁はないわけで、そうなれば必然的に「ぶっかけ丼」はメニューなくなる、と言うか店が開いてない可能性も出て来る。 せっかく積丹まで出向いたのにウニが食べられないと言った、雲海を観に行ったのに悪天候で見られないのと同じ、ある種の賭けが出て来る。 まぁその辺はFacebookや天気予報を見ればある程度予想出来るから、雲海テラスのそれよりは確率は高いと思うが。 そんなわけで、数日それなりに天候が安定していた休日の朝、いそいそと出掛けるおっさん一人。 前日の天気予報では「快晴」って感じだったが、積丹に向かうにつれどんどん雲行きが怪しくなるのを気にしながらも高速の人となる。 ここ数日の蝦夷、妙に湿度が高く寝苦しい日が続いている。 前日も寝苦しい夜を過ごし、朝は案の定早朝に目が醒め、若干睡魔に襲われながらの運転になったのだが、最近はPAで休む事を覚えた自分は躊躇無く金山PAに車を入れた。 日本人はコーヒーのカフェインよりもお茶のカフェインの方が効果的なんて記事を読んだので、お茶でも買って呑みましょうかとカバンを開けて財布を、財布・・・・、あれ?ない。 財布がない。 財布が無いって事は、財布に同梱している免許証も持ってない。 すわっ、免許不携帯。 すぐさま車を走らせ、銭函インターから折り返し家路につく。 財布を確保して再度高速の人となるが、ロスタイム30分は痛い。 ナビの計算では美国までは2時間と出ていた。 この場合、大体30分位は早めに着くのが通常なので、結局PAに立ち寄る事も無くひたすら走ることとなった。 その甲斐あって、店に着いたのは開店5分前。 だがその時点で6組ほどの行列が出来ていた。 平日だというのに、こいつら何やってるわけ?みたいな感想を一瞬抱いたが、そこに立ってるおっさん一人も同じように見られてるんだろう。 大体お一人様って自分位しかいないし。 道路を挟んだところに10台位駐められる駐車場があるので駐車場問題はなし。 順番に店に入れられ席に着く。 ぶっかけ丼は桶が一つなので入店順に盛りつける。 自分は軽自動車のカポーと同じ時に呼ばれ店主のレクチャーを受けた。 「この店はどの様にしてお知りになったんですか?」との問いに、カポーは「友人から聞きました」と言っていたから、若者の中でもそれなりに有名なんだろう。 自分も同様の質問をされたので、 「FacebookとHPを見ました」と元気に答える。 店主の顔が一瞬ほころんだのを自分は見逃さなかった。 店がHPやFacebookを広告媒体にしている場合、その辺をしっかり認識していることを伝えると非常に好印象となる確率が高い。 口コミもそうだが、自身で書き込みをしているような媒体にリアクションがあるのは、やっぱり嬉しいものだ。 店主のレクチャーを聴いてその通りにウニを掬い取る。 右手にずっしりとウニの重さを感じながらしゃもじを上げ、塩水を切る為に瞬間的に手の動きを止め、直前に手渡されるご飯の入った丼に掬ったウニを載せる。 若干白いご飯が見えたところに、店主の「気持ち」のウニが追加される。 ぶっかけ丼 F11位まで絞り込めば良いのかもしれないが、そうなればISOを上げるか三脚でも使わない限り自分の技術では思い切り手ぶれしてしまう。 ウニの種類は色味からしてムラサキウニっぽい。バフンウニならもう少し赤みが強いはずだ。 まずはお醤油を掛けずに食べてみてくださいねと言われるのでそのまま食べる。 スーパーで売られているウニとは違い、ほとんど加工していないために苦みなどは全くない。 程良い塩加減とウニの甘さが口の中一杯に広がる。 この手の丼の場合、ご飯と具材の配分を調整せずに食べると、最後に「ご飯のみ」的な非常に淋しい事態が生じるが、今回の場合うっかりすると「ウニが余る」というような、これまた完全に予想外の結末を迎えることにもなりかねない。 有り難い誤算とはまさにこの事だ。 つくづく尿酸値が高くないことを幸せに思った瞬間だ。 カニの味噌汁も「ダシ、出まくってます」的な味で非常に美味しゅうございました。 お一人様なので誰と話すこともなく、ひたすら丼と向かい合いパクつくオッサン。 他のテーブルからは「うわ〜」とか「凄ーい」とか「甘ーい」とかの感嘆符ばかりが聞こえてくる。 完全に店側の思うつぼだ。 客はこのウニ丼に感動を感じている。 確かに冷静に考えれば一杯の丼に3200円は高いかもしれないが(牛丼なら11杯食べられる)、それで得られる感動や、ぶっかけ丼を食べられた幸運その他諸々が入っているため、単純に高いとも言えないだろう。 実際ウニの単価を考えれば、店側の儲けは1杯1000円ないと思うし。 醤油を掛けずに食べてくださいねと言われてそのまま食べ続けたが、結局最後まで醤油を掛けようという気にならなかったのはビックリした。 絶妙な塩加減。 きざみ海苔があっても良いかな?と思ったが、そうなると海苔の味がウニの味を邪魔してしまうのかもしれない。 そんなわけで、1年分のウニを食べた気になった自分は、気持ち良くお代を払って店を後にした。 ウニの漁期は今月いっぱい、お盆は混むと思われるしヘタすれば漁が無いなんて事も在って、わざわざ出向いても食べられるかどうかは判らないが、話のタネに、ドライブのお供に、運試しに、ウニぶっかけ丼に挑戦してみては如何だろうか? もしこの店が閉まっていても積丹でウニ丼を供する店はいくらでもあるので、全く心配には至らない。 つづく
by wonderfullifewith
| 2013-08-09 15:28
| まぜまぜ
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Comments(12)
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浪花のジャッキー
at 2013-08-09 18:37
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ホントに一人で行ったんですかぁぁ~?
ネタがイイだけに誘いやすい気がするんスけどね~
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wonderfullifewith at 2013-08-09 19:17
浪花のジャッキーさん
ウニ漁がなければ、そして先客が多ければありつけないメニューですので、博打の要素が高いものに周りを巻き込むことは出来ません。 娘もその日は塾の授業が朝からビッチリでしたし・・・。
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コバ
at 2013-08-09 23:22
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kitanoeos at 2013-08-10 10:52
デジイチのウニ、旨そうで良い感じですよ。
それにしても、豪快の一言に尽きる食しかたですね。 HPを拝見させて頂きましたが、ついでに立ち寄るお店では なさそうなので、それなりに心して行かねばなりませんね。 有給無いし、用件無いし・・・。 何かもっともらしい理由無いですかね(笑)
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wonderfullifewith at 2013-08-10 11:45
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wonderfullifewith at 2013-08-10 11:47
kitanoeosさん
デジイチの方が色味が良いですね。 まぁコンデジも色味調整すればそこそこになると思うんですが、面倒で止めちゃいました(笑)。 自分も有給無いですが、用件は「ウニを食いに行く」って事で自分を納得させて動いてみました。 冷静に考えればこの後のドライブを加えて、ウニ丼一杯のために300km走るってどうなの?って感じはしますけど。
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コロすけ
at 2013-08-10 13:17
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detour135 at 2013-08-10 14:04
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wonderfullifewith at 2013-08-10 17:23
コロすけさん
「次はウニね」って言われたので行ってきました。 ご家族様はご賞味為されたのですか? では貴殿も桶2つ位買ってきて豪快に丼にぶちまけちゃってください。 えぇ貴殿の働きならこの位許されますって。 もし許されなかったら? その時は土下座に付き合います(笑)。
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wonderfullifewith at 2013-08-10 17:24
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BONBY
at 2013-08-10 20:18
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稚内で山盛りのウニ丼を食べて痺れた事があります。
翌朝、全く歩けませんでした。 で 出張先で遅刻しましたよ。 「 ウニ丼 食って痺れました 」 が遅刻理由でした (笑) それ以来、大量のウニは食べない様にしてます ^^;
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wonderfullifewith at 2013-08-10 21:12
BONBYさん
稚内方面には数々の伝説をお持ちですね(笑)。 ウニって痺れたりするんですか? 自分は出前の鮨で年に数回しか頂かないような生活なので判りませんが、何かあるんでしょうか? にしてもその遅刻理由が社内規定で通ったのかが、ちょっとだけ気になります(笑)。 |
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